皮膚は場所によって差はありますが厚さ1.4mmしかありません。こんなにうすいのに皮膚には紫外線や外気、微生物などの外的刺激から体を守る働きがあり、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっています。それぞれが役割をもって3つの働きをします。
刺激から肌を守る…表皮
皮膚に栄養をあたえ、肌のハリ
を保つ…真皮
体温の調節とクッションの効果
…皮下組織
表皮は体をおおう うるおいのラップ
表皮の一番外側にある角質層は外界との最前線になっており、バリアとして働きます。角質層には角質細胞の素であるケラチンとその細胞の間をうめるセラミドを中心とした細胞間脂質があります。セラミドには水分をぎゅっとつかまえておくチカラがあるほか、角質層内には"NMF"と呼ばれる自然保湿因子が存在し、アミノ酸をはじめとする成分が水分を保ちます。細胞がふっくらとうるおうことで密接に重なり合い、ラップのように外からの浸入を防ぎます。みずみずしく美しい肌は、角質細胞がいつも、うるおってバリアとして機能しています。
真皮は肌のみなもと
真皮はコラーゲンとエラスチンの2つの線維がお互いに交差しながら網目状になっておりスポンジのように、弾力や柔らかさがあります。網目のすき間には水分をたくさんたくわえるヒアルロン酸、コンドロイチン酸などの保湿成分を含んだゼリーで満たされ、コラーゲン、エラスチンに良い環境になっています。表皮とは違い、真皮には栄養分を運ぶ血管があるため、真皮の細胞や表皮の角質細胞をつくりだす基底層にエネルギーをあたえ、皮膚の働きを保つ働きがあります。笑った時などには筋肉の動きに合わせて、真皮はコラーゲンとエラスチンがのびたり、縮んだりすることで皮膚を柔軟にし、動きやすくします。
皮下組織が真皮のアシスト
皮下組織はおもに線維質と皮下脂肪からなっています。その他に汗腺などがあり、皮下脂肪とともに温度や湿度の変化に対応して体を一定の体温にたもつようにできています。その他に体をぶつけた時などには、クッションとして体を守る働きがあります。
私たちの肌は肌の水分量、皮脂量によって普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌の4パターンに分けられます。その他に刺激などに敏感な肌を敏感肌といいます。肌は年齢や時期によっても肌質が変わってきますので自分の肌質をまめにチェックしましょう。
水分量が多く、皮脂量が適度にある理想肌(かさつき、べたつきがあまりない)
水分量が少なめで、皮脂量が少なくかさついてあれやすい
水分量が適度にあり、皮脂量が多めでべたつきやすい(ニキビができやすい)
水分量が少なめで、皮脂量が多く、部分的にかさつく部分とべたつく部分がある
水分量が少なくてバリア機能が弱っているか皮脂量が多くニキビや吹き出物が悪化して
弱っている肌
私たちの肌は女性ホルモンの影響を受けて日々変化しています。いつもと同じケアをしているのに肌が荒れたり、べたついたりするのは体内のリズムに基づいているからです。
2つの女性ホルモン、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)の量 やバランスが変化してリズムをつくります。
エストロゲン 肌のハリや弾力を保つコラーゲンやヒアルロン酸の合成を促します。
プロゲステロン 皮脂の分泌を促します。
エストロゲンが少なくなると肌のハリやうるおいが
うばわれる!
ホルモンの大きなリズムとして第2次成長以降、2つの女性ホルモンの分泌が増加し、20代でピークをむかえて安定します。40代半ばでエストロゲンの量が激減していきますので肌の弾力やハリを保つコラーゲンやヒアルロン酸が徐々に減少します。
閉経後 エストロゲンの分泌が激減している為、肌が乾燥しやすく、ハリがなくなってきます。
ホルモンのリズムがわかるとスキンケアしやすい
小さなリズムとしては28日周期でエストロゲンとプロゲステロンの量とバランスが変化します。このリズムは4パターンに分けられ、肌のコンディションも変化します。その時期にあったケアが重要です。
生理期 2つの女性ホルモンの分泌が減少する 肌が乾燥気味で敏感になる
卵胞期 エストロゲンの量が増加する 肌の状態が良い
黄体期前 プロゲステロンが増加し、エストロゲンが減少 肌の皮脂が増え始める
黄体期後 プロゲステロンが減少し始める しみがやニキビができやすい
妊娠中にはシミのご注意を!
その他のリズムとしては妊娠があります。妊娠することでホルモンバランスが変化し、時期によって肌のコンディションが違ってきます。
妊娠中 黄体期の状態が続くため、にきびやシミができやすい
出産前後 生理期の状態に移る為、肌が乾燥しやすく、敏感になっている